マインドブロック

私は、元々土建屋(鳶職)をしていました。
生まれた時から「土建屋の息子」で
「跡取り」という言葉の意味も知らずに
「僕は関根工業の跡取りなんだ」なんて
父の職人仲間の前で無邪気に言ってた記憶があります。

私が25歳の時に父が急逝し、
跡を継ぐことになったある日のこと、
高校の同級生とバッタリ再会し、一緒に飲みに行くことに。

その時に、経営があまり順調ではないことを伝えると言われたのが
「お前はもっとクリエイティブな仕事をするべきだ」でした。

聞けば、高校時代に父の跡を継いで土建屋になると決めていた私を
「こんなに発想豊かなのに土建屋に収まっちゃもったいない」
と思っていたのだが、自分で決めたことだから・・・と、その言葉を飲み込んだと言います。

それを言われた私はというと
「土建屋しかやってきていない自分に、そんなことできるわけがない」
と、まるで他人事のようでした。

それから、いろいろとあって、導かれるように
建築デザインなどの仕事をいただくことになっていくわけです。
(その辺はまた、改めて)

そんな経験をして今がある私ですが、
先日、同い年の建築関係者の人と話していた時に
「歳も歳だし、いつまでも現場で仕事できないよな」
という話題になったのですが、本人は
「職人のなり手がいない」
「後継が育たない」
「良い給料をあげられない」
などなど、新しいことにチャレンジできない理由がたくさん出てきます。

私から見たら「固定概念から離れて持ってる技術を生かして
自分にしか広げられない分野を開拓すればいいのに・・・」
なんて思うのですが、
振り返ってみれば、私も最初は
ネガティブなイメージしか浮かばなかったんですよね。

固定概念=マインドブロックを外して、新たな未来を拓く・・・
言うのは簡単ですが、なかなか難しいものですね。

2020年10月10日
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